自然が好きだった故人のための自然葬

最近では葬送のあり方もかなりの自由が認められるようになってきています。
集落全体で葬儀の準備をし、参列もするような伝統が残る地域の場合は別として、人生の終わりくらいは本人の好きなように、より個性的にありたいと願うのも当然の話です。
そこで自然が好きだった人が亡くなった場合には、海洋散骨や樹木葬といった、文字通り自然に還る葬送の方法を採用するのも、またとない故人に対する供養になるはずです。
伝統的なスタイルですと、お葬式とそれに続く火葬を済ませたあとは、骨壷に入れた遺骨を墓石が建つお墓に納めるのが普通です。
しかし海洋散骨であれば、いったん遺骨を粉砕した上で、チャーターした船舶で洋上に向かい、そこから海に遺骨を撒いて供養をします。
このような方法を請け負っている葬儀社でもいくつかプランを持っていて、遺骨を預かったスタッフだけで散骨をする場合と、喪主をはじめ遺族が乗船した上で個別に散骨をする場合とに分かれます。
樹木葬の場合はハナミズキやモミジなどの樹木が茂る一角に遺骨を埋葬したり、散骨をしたりする方式で行われます。
シンボルツリーの周囲で多くの人の合葬形式をとることもあれば、埋葬のたびに苗木を植えてそれぞれの人の墓標がわりにすることもあります。
いずれにしてもこのような自然葬の場合には、遺骨が海や山といった自然と一体になるのがポイントですので、自然を愛好する人にとってはもっともふさわしいあり方といえます。